再生可能エネルギーによる空調見学記
 -- 木質ペレットを用いた吸収冷温水機とペレット製造所 --
吉田研究室ゼミ生 佐藤太信(3年)
(2011/12)

 2011年11月28日、京都大学宇治キャンパス内に導入された木質ペレットを 燃焼させた熱を用いて冷暖房を行う「木質ペレット焚吸収冷温水機」と、太陽で温められた温水を利用して 冷暖房を行う「太陽熱回収型吸収冷温水機」を組み合わせた空調システムを見学させていただきました。

 このシステムは、まず太陽熱を優先的に利用して冷房し、天候等により太陽熱を利用できない時や 太陽熱だけでは空調需要をまかなえない時には木質ペレットを利用し、 さらに冷房需要が増えればやむなくガスを用いるという三段階のエネルギー源で動くシステムである。 再生可能エネルギーをなるべく用いて冷房する関西にはこのほかにはもう一件あるだけという先進的なものであり、 本年の実証実験によると、システム全体の45%を再生可能エネルギーでまかなう事ができるそうです。

 木質ペレットはカーボンニュートラルの考えのもとCO2は発生しません。 つまり、植林から伐採までの期間に大気からCO2を吸収するため、 木質ペレットを燃焼してもその際に発生するCO2は地球温暖化ガスとしてカウントされません。 例えペレット製造のための木材の伐採や搬出、ペレットの製造や運搬時にCO2の発生があったとしても、 化石燃料であるガスを燃焼するよりもペレットを燃焼させたほうがCO2排出量が少なくて済むのではないか というのが一般的な考えです。ただしこれが事実かどうか、私は検証してみたいと思います。

 太陽熱だけでは天候に左右されるなどの理由で冷却の供給が不安定ですが、 木質ペレットで補えば安定して空調を満たせるようになるので、 こういうシステムが広く普及すればいいと思いました。ただ、太陽熱の変換効率はあまり高くない、 木質ペレットを燃やした時に出る灰は産業廃棄物扱いになる、など欠点もあり、 ペレットが単純にエコという訳ではありません。しかし他のエネルギーに比べ CO2排出量が微量ということは他のエネルギーに比べて十分な利点であり、 選択肢の一つとして考えられる物だと思います。

 私は、未来の社会では、木質ペレットの灰を加工して肥料にして森に撒いて森の成長を支え、 その森の木で木質ペレットを作りまた出た灰を撒くという、循環型社会の構築が必要だと思います。 木質ペレットや再生可能エネルギーが更に発展して広く普及し、化石燃料に極力頼らず、 結果としてCO2の排出量が削減することが、今後の地球環境を護る上で今まで以上に重要になると思います。
 
写真1 木質ペレット焚吸収冷温水機(京都大学宇治キャンパス内)
 
写真2 木質ペレット製造工場内部
(京都市右京区京北周山町小柳5番地1 森の力京都株式会社)


  ++執筆者紹介++
佐藤 太信


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