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■ GHPシステムの省エネルギー


□ 建築・地域の省エネルギー

 建築や地域の省エネルギーに関して最適化の観点から種々の研究を展開しているが,最近特に国際省エネルギー機構の研究活動の一環として,建物運用時のエネルギー削減に注目して研究を進めている.建築の省エネルギーはエネルギー危機以来精力的に実施されてきたが,それらは主に設計時に省エネルギーの方策を考慮し,設計に活かすことが中心的課題であった.
 ところが実際の運用時には,計画どおり省エネルギーが達成されないとか,設計では考慮していなかった事態が発生するなど,多々問題点があることが最近判明してきており,この事態を解決すれば更に20~30%のエネルギー削減が可能であると言われている.



□ GHP(ガスヒートポンプ)システムのモデルベース性能検証手法の提案と実証

 性能検証(コミッショニング)とはそれぞれのシステムに対して, 計画,配置そして機能的な試験が行われ,設計趣旨に沿って 確実に作動するよう運転及び保守が可能な状態であることを 確かめる過程のことである.コミッショニングは建物の省エネルギー設備の性能を維持できる有効な手段と考えられている.
 本研究はモデルに基づいてガスヒートポンプ(GHP)エアコンディショニングシステムのコミッショニング手法の開発に目的としている.

図-1 GHPシステム

具体的な研究内容と成果
 (1)シミュレーションをコミッショニングに活用するために熱負荷のシミュレーション精度を確認した
 建物側の熱流計測から得た熱負荷,ターミナル空調機の空気側で測定した熱負荷,熱源の冷媒側で測定した熱負荷およびシミュレーションで推定した熱負荷の4者を総合的に比較検討し,コミッショニングツールの開発を目指す.実測熱負荷とシミュレーション熱負荷の誤差は約20%である.
 (2)GHP室内機のフィルター詰まりによる圧力損失を推定できるモデルを開発し,このモデルに基づいてフィルターのコミッショニング手法を提案した.フィルターの圧力損失を推定するモデルの入力値は室内機のファンの電力消費量または冷媒の温度・圧力の二種類の入力がある.フィルター詰まりによる圧力損失の推定誤差は,前者を用いた場合,最大13.1%,平均5.96%であり,後者のモデルを用いた場合,最大12.7%,平均5.89%であり,フィルターのコミッショニングに役に立つことが分かる.



図-2 計測風景1

図-3 計測風景2