研究紹介 >> 1. 建築・地域の省エネルギー >> 複数熱源機器の運転順序の最適化


■ 複数熱源機器の運転順序の最適化


□ シミュレーションを用いた実複合熱源システムの最適組合せ運転法に関する研究

研究の背景と目的
 21世紀における最も重要な問題である環境問題とエネルギー問題について,CO2削減や省エネルギーが重視されている.これらの問題に関して様々な研究がなされているが,複数熱源の組合せに着目し,運用期間全体のエネルギー・エネルギーコスト・CO2排出量を最小にする熱源プラント熱源機器組合せの最適化についての研究は少ない.
 一方,多くのテナントを有しているビルや地域冷暖房熱供給施設では,最大の要求熱量が大きく,また,テナントにより運用時間も多様なことから,小さな熱要求にも対応しなければならないため,容量の異なる複数の熱源を保有しているのが一般的である.需要側の熱要求に応え,かつ,省エネルギー性や経済性を追求するために,この複数の熱源の組合せや運転順序を模索し,最適な運転方法を検討することが重要である.



図-1 対象建物



図-2 MATLAB/Simulinkより作成したシステムモデル



具体的な研究内容と成果
 既設のオフィスビルにおいて最適組合せ運転法について検討を行った.このプラントは4台の電気熱源機器,2台のガス熱源機器,及び氷蓄熱槽を保有しているため様々な運転方法が可能である.機器の発停を負荷から自動決定するモデルや各構成機器のモデルを機器仕様書や中央監視盤に記録される実測データを用いて作成し精度検証・補正を行った.さらに,各モデルを連結し,熱源システムモデルを作成し精度検証を行った.作成したモデルを用いて,熱源機器の運転順序を変更した場合のシミュレーションを行った.評価指標であるコストに関しては,エネルギー会社の標準メニューに基いて基本料金及び従量料金を算出しより実際に近い値で比較を行った.その結果,1次エネルギー・エネルギーコスト・CO2排出量に関して,それぞれ17.1%,10.9%,26.0%の削減が達成できる運転順序の改善案を提示した.