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■ アジアのエコ住宅


□ ネパ―ルの伝統的住宅の建築環境工学に基づく評価と改善

研究の背景と目的
 ネパールの5つの郡(Banke, Bhaktapur, Dhading, Kaski ,Solukhumbu)の伝統的住宅の評価と改善を目指して,夏と冬の温熱環境,熱的主観申告,空気環境とエネルギー消費の調査をしている.
 1)伝統的住宅の温熱環境評価:夏と冬の温湿度,グローブ温度,表面温度,風速風向,日射量などの温熱環境測定から,内外温度差,上下温度差,表面温度などを明らかにする.
 2)居住者の温熱感覚評価:夏と冬の温冷感,快適感,適温感,発汗などの熱的主観申告から,快適温度,快適範囲などを明らかにする.
 3)伝統的住宅の薪の消費量の評価:夏と冬の薪の消費量の測定,森林利用方法などの調査から,エネルギー消費の実態と問題点などを明らかにする.
 4)伝統的住宅の空気環境評価:夏と冬のCO,CO2,NO2,粉塵などの測定から,空気環境の実態,健康被害などを明らかにする.
 5)伝統的住宅の温熱・空気環境の改善: 開口部の気密化,屋根の断熱化と改善ストーブの設置により,温熱・空気環境の改善を行う.



図-1 ネパールの様子


具体的な研究内容と成果
1)伝統的住宅の温熱環境評価
 夏,冬の内外温度差は標高の低い地域では小さく,標高の高い地域では大きい傾向にある.これは低地では開放的な住宅,高地では閉鎖的な住宅がみられるためである.また,ネパールと日本の伝統的住宅の内外温度差は類似している.
2)居住者の熱的主観申告評価
 中立温度は亜熱帯,温帯と冷帯の順に高い. これは,居住者はそれぞれの気候の自然環境に適応して暮らしているためと考えられる.
3)伝統的住宅の薪消費評価
 各地域の薪の消費量は235~1130kg/人/年である.薪の消費量は冷帯,亜熱帯,温帯の順で大きい.



図-2 伝統住宅の計画 図-3 住宅の熱環境